腸脛靭帯のストレッチ
ランナーにとっての最も大きなケガはおそらく腸脛靭帯炎だと思います。自分もそうでしたが、日本の有名なマラソンランナーは皆これに悩まされた経験があるのではないかいと思います。日本人の多くは文化や生活環境などにより大人になるにつれて、脚が内反足いわゆるO脚に変形する人が多いのです。そうすると、走行着地時に足底外側接地になり荷重は足関節外足部にかかり、筋緊張が膝関節外側を伝いお尻まで達します。そのストレスが走ることによって何ども酷使して靭帯に運動負荷が繰り返されると膝関節内反部位に付着する筋の筋緊張が亢進し、腸脛靭帯の炎症が起こり得ます。外側のつっぱりや炎症を抑えるには日々のストレッチやマッサージに尽きます。これから紹介するストレッチをすると筋が少しでも和らげられる事と思います。
腸脛靭帯は大殿筋と上前腸骨棘に付着する大腿筋膜張筋の延長上を起始(大転子あたり)とし、Gerdy結節いわゆる脛骨粗面の外側を停止とします。簡単にいうと、お尻の上方外側内側の間から膝の外側までかけてが腸脛靭帯なのです。
独りでストレッチを行うには、背臥位になり伸張したい方の脚の股関節を屈曲、内転位に持っていきます。 この時、膝は曲げた状態でも腸脛靭帯は伸張されますが、ここで膝も少し伸展し、足関節も背屈位にして両脚が垂直になるようにすると、かなり腸脛靭帯が伸張されるイメージになります。伸張する方の脚の腓骨頭、関節裂激、大腿骨外側上顆の辺りがピリピリして腸脛靭帯の停止部の伸張が主に期待できます。もちろん殿部もかなり伸張されます。これを1分間3セットします。すると翌日は外側の柔軟性の違いの変化が分かります。走る前、走った後は必ずこのストレッチを行います。
続いて、補助者が入った場合のやり方です。
同じく背臥位になり、補助者は被検者の股関節を片側を屈曲位、伸張したい側を伸展位に持っていきます。補助者は被検者の伸展した脚をさらに補助者の大腿部で内転位に持っていきます。すると今度は上前腸骨棘に付いている大腿筋膜張筋の伸張がかなり期待できます。いわゆる腸脛靭帯の起始部あたりがかなりピリピリして伸びた感覚が実感できます。起始部を主に伸張したいのならこれかなと思います。これも1分位続けて3セットほど行うと柔軟な腸脛靭帯へと近づけます。手技ではこれが今のところ最高でしょうか。
専門用語ばかりになってしまいましたが、ランナーの方々の参考になればと思います。
付け加えて…。慢性化している方には、なんと言ってもアイシングにつきます。患部のアイシングを練習後20分2セットとストレッチを併用すれば私は走りながらでも治りました。
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コメント
ありがとうございます。近所を週一でジョギングしているのですが、2年目を過ぎた辺りから、ジョギング中に右膝の下外側が痛み出しました。本にて腸脛靭帯の痛みだと知り、このHPCに出会いました。ストレッチを試してみます。
投稿: katsu | 2013-01-27 09:18
katsuさん、コメントありがとうございます☆
腸脛靱帯炎を発症して慢性化すると走れなくなりますので、早めのケアが必要にまりますよ!!外側の筋の緊張を弛める必要がありますので拮抗する内転筋を鍛えることも必要ですし、その他のバランスを整えるための骨格の調整も必要になってきます。ですがまずは患部の疼痛を和らげるようストレッチやランの休養も必要ですので無理せず頑張って下さい。
投稿: ガベちゃん | 2013-01-27 23:13
ありがとうございます。二日おきくらいにストレッチを行うことと、休養たっぷり(休みにしか走りません)、そして走る前にストレッチを行なってから、走りましたら、コース途中での痛みが殆ど起きないことが分かりました。ありがとうございます。51歳のオヤジなので無理をせずじっくりやります。取り急ぎ御礼まで。
投稿: katsu | 2013-02-10 09:43
katsuさん、続けて下さっていたんですね!!お役に立てて嬉しいです(*゚ー゚*)週末ランの方も無理せず楽しんで下さいね( ^ω^ )
投稿: ガベちゃん | 2013-02-12 22:11